1980年代後期~2000年代に発売されたカントリーについて

ここでは1980年代後期~2000年代に発売された歴代のカントリーをまとめてみました。

フランス製の最終モデルからレギュラーモデル、カンガルーレザーの限定モデル、派生モデルなどを紹介しています。

カントリーは種類も多いので、今まで復刻されてきたカントリーの流れを見ていきたいと思います。カントリーと言えば白/緑が人気定番カラーなので、こちらのカラーのみをピックアップしています。

今回は1980年代後期~2000年代までですが、機会があれば1970年代まで掘り下げ、カントリーの歴史を振り返ってみたいと思います。

その前にカントリーについて簡単に解説しておきたいと思います。


カントリーとは

カントリーは1973年にクロスカントリー用シューズとして初めて登場します。

ホルスト・ダスラー率いるアディダス・フランスのモデルで、オリジナルはフランス工場で生産されます。アディダスの中でも歴史のあるモデルで、1970年代~1980年代の間に細かいデザインチェンジを繰り返しています。

1990年代に復刻されてから、日本国内においては三大定番モデルの一つとして位置付けられ、現在でもスーパースター、スタンススミスと伴に人気を博しています。オリジナルのカラーと同じ白/緑が定番で、これが最も人気のあるカラーです。


カントリーの特徴

デザインの特徴は、やはりソールにあると思います。カントリーのソールは、硬度の異なるスポンジ素材のミッドソール二層とゴムアウトソール一層の三層ソール構造です。

アウトソールのデザインはヘリンボーンパターンで、踵は巻き上げソールになっています。

昔からドライビングにも適していると言われているのは、踵が巻き上げソールのデザインだからです。



それでは簡単にカントリーの知識が付いたところで、一気に紹介していきたいと思います。


1980年代後期のカントリー
カントリー 品番AC1175

1980年代後期のフランス製カントリー

品番AC1175
発売年1980年代後期
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国フランス

これは1980年代後期のフランス製カントリーです。

フランス製カントリーの最終モデルで、タンに"made in france"の記載はありません。またスニーカー内にサイズタグが有り、インソールは無地で旧サイズシールが貼られます。この後にインソールに貼られるシールは、モデル名、生産国、素材が黒の印字で記載されるシールのものに変更されます。

アッパーは高級オックスハイドでしっかりとした造りです。ミッドソールはEVA素材、アウトソールはゴム素材になります。

1988年の日本国内販売価格は16,800円です。ちなみに同時期に発売されていたフランス製スタンスミス(品番AF1028)は13,800円、フランス製スーパースター(品番AG1018/白黒)は12,800円になります。

この品番AC1175は1989年後半頃から1990年に入ると、品番033629に変更されます。フランス製は1990年代初期まで存在します。

当然ですがこの時代のフランス製最終モデルは、フランス製カントリーの中で最も見つけ易いです。ただフランス製のカントリーは、アウトソールの硬化が進んでいるので注意してください。


フランス製カントリーのタンAC1175) フランス製カントリーのヒールタブ フランス製カントリーのサイズタグ フランス製カントリーのサイズシール


1990年代に発売されたカントリーの復刻モデル

カントリー 品番034450

初期復刻モデルの中国製カントリー

1992年 S/S オリジナルス カタログより

品番034450
発売年1991 - 1995
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国中国

これは1990年初期にオリジナルス・カテゴリにラインナップされたカントリーです。

タウンユースモデルとして復刻されたモデルで、これがカントリーの初期復刻モデルになります。

アッパーはソフトオックスハイドレザーで、ライニングはパイル生地です。つま先もヒールカウンター部位もスエードではなく、オールレザーとなります。


カントリー 品番034662

オリジナルスカテゴリの1995製カントリー

品番034662
製造年1995年製
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国中国

これは1994年から1999年までラインナップされたカントリーです。

品番034450の初期復刻モデルとは異なり、ベロ表面、ヒールタブ、踵内側のライニングはPVCレザーで、フォルムはともかくオリジナルに近いデザインとなりました。

当時レギュラーモデルとして販売されていたスーパースター(金ベロ)、スタンスミス(若いフェイスベロ)と並んで人気の定番モデルでした。

品番34662の中でも製造年によって、細かい仕様の変更があったりします。


カントリー 品番AC1540WG

カンガルーレザーの日本製カントリー

品番AC1540 WG
製造年1996年製
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国日本

これは1996年に限定で発売された日本製のカントリーです。

当時、日本国内におけるアディダスの総代理店はデサントでした。このデサントによる日本限定の復刻品となります。

通年販売されていたレギュラーモデル(品番34662)とは違い、日本国内で生産され、アッパーにはカンガルーレザーを使用した豪華モデルです。某ファッション誌によるとリリースされてから、すぐにショップから姿を消したらしいです。

翌年と翌々年にも同スペックのカントリーが発売されますが、このモデルはシューレースが厚手の平紐で、ヒールのトレフォイルロゴはゴールドプリントとなります。


日本製カントリーの靴紐 日本製カントリーのヒール


カントリー 品番AC1540WG

カンガルーレザーの日本製カントリー

品番AC1540 WG
製造年1997年製
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国日本

これは1997年に限定で発売された日本製のカントリーです。

1996年のモデルと同様、デサント企画の日本限定モデルになります。

1996年のカンガルー仕様が好評だった為か、1997年と1998年にも販売されます。基本的な仕様は1996年と変わりませんが、シューレースの変更、ヒールタブのトレフォイルロゴは白へと変更されています。

このカンガルーレザーのモデルは、当時14,900円で発売されています。同時期のレギュラーモデル(品番034662)は8,900円又は9,600円なので、4000円~5000円程度の価格差があります。

現在でも人気の高いカントリーです。品番AC1540WGに関しては比較的数も多いので、現在でもまだまだ見つけ易いです。状態の良いものであれば、ヤフオクでもそこそこ高値で売買されています。ただ昔に比べればアウトソール硬化の懸念から、ピーク時ほど値は付けなくなった気がします。実際アウトソールの硬化は進んでいるので注意が必要です。


カントリー 品番034662

オリジナルスカテゴリの1998製カントリー

品番034662
製造年1998年製
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国中国

これは1994年から1999年までラインナップされたカントリーです。

上記で紹介した1995年製の品番034662と比べると、ヒールタブのトレフォイルロゴにあったレジスターマークが無くなります。

品番034662はPVCレザーを使用しているので三本線、ヒールタブ、ライニング(履き口)が、ベトベトになったり剥がれたりするような劣化は起きません。だた履き方が悪いと亀裂、割れは生じます。


カントリー 品番759803

メッシュアッパーの日本製カントリー

品番759803
製造年1999年製
カラーホワイト/グリーン
素材アッパー:合成繊維
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国日本

1999年に限定で発売された日本製カントリーです。

カンガルーレザーのカントリーは生産終了してしまいましたが、翌年メッシュアッパーモデルが復刻されました。

レザーモデルに比べ、通気性も良く多少軽くなっています。

個人的にはこのベロデザインのカンガルーレザーモデルも発売して欲しかったです。


2000年代に発売されたカントリーの復刻モデル

カントリー ハイカット 品番012535

2003年製カントリーのハイカット

品番012535
製造年2003年製
カラーホワイト/ポンデローサ
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国ベトナム

これは2003年(F/W)に発売されたカントリーです

1995年には日本製カントリーのミドルカット(品番AC1503)が発売されていますが、このモデルはハイカットになります。

残念ながら既に三本線とヒールタブが劣化している場合がほとんどです。


カントリー 品番807522

2005製のカントリー 73

品番807522
製造年2005年製
カラーホワイト/フォレスト
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国ベトナム

これは2006年(S/S)に発売されたカントリーです。

1973年に登場した最初期のカントリーを復刻したモデルです。

旧デザインで、アキレス腱パッドが無い分、フィット感は期待しないほうが良いです。

関連リンク

カントリー 品番661974

オリジナルスの2007年製カントリー

品番661974
製造年2007年製
カラーランニングホワイト/グリーン
素材アッパー:天然皮革
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国中国

これは2000年~2007年までラインナップされたカントリーです。

以前のレギュラーモデル(品番034662)から若干仕様が変更されます。一番分かりやすい違いはアッパーサイドに二本の縫い目があることです。

ヤフオクでもまだまだ見つかりますが、品番661974はもう既に劣化しているものも多いです。比較的製造年が新しいものでも、今後、三本線、ヒールタブ、ライニング(履き口)が劣化するので注意が必要です。

品番661974の生産終了後は、"Made for Japan"とベロに表記されたカントリー 2 Jが2008年(S/S)から発売されます。


カントリー 品番G03078

ナイロンアッパーの2009年製カントリー

品番G03078
製造年2009年製
カラーボーン/グリーン
素材アッパー:合成繊維
ミッドソール:EVA
アウトソール:ゴム
生産国ベトナム

これは2009年(S/S)に発売されたカントリーです。

1970年代のカントリーを意識したヴィンテージ仕様のモデルになります。

アッパーはナイロン素材で、シューレースやミッドソール、アウトソールは黄ばみや汚れが施されたヴィンテージ加工となっています。

元箱のラベルには"CTRY O"と表記されますが、これは "0"(ゼロ)ではなく、アルファベットの"O"です。

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